前回に引き続き解法と考え方2回目、今回は文学的文章です
とにかく "感情(気持ち)" が重要です。
1にも2にも3にもこれです。
特に "主人公の心情" は最重要です。
理由があります。
それは "主人公は物語のフィルター" だからです。
物語はその世界観を理解しながら読むべきものです。実は読者が好き勝手に読める
ものではなく、主人公が読者と物語の間のフィルターとなって色(イメージ)を決める
のです。
どれほどのどかで平和な風景であったとしても主人公の心情が暗いものであれば
暗いフィルターをして読まなくてはなりません。
だからこそ "主人公の心情" を把握することは重要なのです。
次に文章全体をプラスかマイナスのイメージで捉えます。
プラス(前向き)かマイナス(悲壮的)か・・・これは上記の主人公の心情把握に等しい
内容です。
今回の入試分析で文学的文章で初めて選択肢問題が出題されたことが報告されました。意外や意外、実は過去の入試ではなかったのです。
ただ、テキストや学力テスト、大学入試では必ず出題されるので抑えておく必要はあります。
文学的文章の選択肢問題は文章のイメージ(プラスかマイナス)と連動しています。
つまり内容把握よりもイメージ把握をしておくとあっさり解けたりするのです。
他にも 【 情景描写 】 という手法があります。
心情を景色で描写する方法です。
例えば雲一つない晴天の下、3人の男女がいるとします。風もなく降りそそぐ日差し
が痛いほどに強く、3人の影を色濃く映し出されている・・・
何となく暗い雰囲気を感じ取っていただけましたか。
景色の良さがギャップとなって「~痛いほどに~」「~影を色濃く~」という表現が登場人物たちの心情に影を落とす効果をなしています。
文学的文章は主人公の心情をどストレートに表現してくれません。
むしろ遠回しに知らせてきます。
だからこそ上記のような細かい表現を見抜いて登場人物の心情を把握してください。
※そのための訓練をしましょう!
最後にもう一つお伝えしておきたいことがあります。
説明的(実用的)文章と文学的文章の記述方法は異なります!
毎年毎回、道コンの記述採点をしていて同様のことを思います。
それは文学的文章の記述内容が 「 事実だけでまとめられてしまっていること 」
です。
例えば、
問 帰宅した主人公がはりつめた表情だったのはなぜですか。
という問いに対して
答 自分は何もしていないのに、放課後残されて先生に怒られたから。
という解答は正解にはなりません。
なぜか!? ⇒ 文学的文章で最も重要な "感情" が表現されていないからです!
正しくはこうです
答 自分は何もしていないのに、放課後残されて先生に怒られたことに理不尽さを感じ、怒りを覚
えたから(腹がたったから)。
文学的文章では 「事実」 のあとに必ず 「感情」 を伴うこと