"あまる" です。
"足りる" ではありません(笑)
琴似教室の朝日です。こんにちは!
今回は勉強の細部で必要な "考え方" の1つをご紹介します。
※これからも別タイトルで "考え方" はご紹介していきます!
勉強を深堀していく上で丁寧さや緻密さはとても重要です。
多くの子供たちが1つ1つの言葉をザックリと捉えています。だから勉強がわからなくなるのだろうとしみじみ思います。
今日は正負の数について。
正の数(プラス)と負の数(マイナス)は数の大小というだけではありません。
よく 「-3は小さくて+5は大きい数、、、」
と言われがちですが、この程度の捉え方だと数学は詰みます(笑)
と言いますか他の科目も詰みますね(笑)
正負の数の捉え方、例えば1つ、"逆向き" です。
正負の数を学ぶ際に必ず出てくる例題が山の高さ(+)と海の深さ(-)、東方(+)と西方(-)などがあります。温度だってプラス(温・暑)とマイナス(寒・冷)があります。
これらの例題に触れさせる理由は、正負の数は決して数の大小ではない!ということを理解してもらいたいからです。
正負の数は方向を示します。
正反対の方向です。
例) T字路で右に曲がった車(プラス方向)と左に曲がった車(マイナス方向)
もOKです。もちろん右折車をマイナスとして左折車をプラスにしても構いません。
数直線上で0を中心として右側をプラス、左側をマイナスと表しているので左右は左(-)右(+)となり東西は標準的な四方位で東が右、西が左となるため東(+)西(-)と表されることが通例ではありますが。
いずれにしても上記の例題は全て大小ではありませんよね。
さてここで、"0" についても触れてみましょう。
0 = 無(一切のものがない)
と考えている方、改めてください(汗)
そういう場合もありますが、それだけではありません。
0 = 初期設定
と捉えてもらった方がまだ良いです。
例えば家に帰ってきた時に冷蔵庫にプリンが3個あったとします。
これが最初の状態=初期設定、つまり"0"の状態です。
自分が1個食べたので残りは2個。1個"減らした"ので「-1」となりました。
お母さんが"追加"で2個買ってきたので「+2」です。私が家に帰って来たときを"0"とするなら
1個減って2個増えたので結果的に「+1」という状態です。
3 -1 +2 = 4
また、私はプリンを食べず、お母さんも買って来なければプリンは3個のまま冷蔵庫に入っています。
3 + 0 = 3
"0"が一切のものが無いとするならば、プリンはなんとなく消えます(怖)
0 = 変化が無い
と捉えても良いでしょう。
正負の数も「増減」という相反する方向を表していますね。
話を冒頭に戻します。
正負の数で有名なタイトルに「過不足問題」があります。
半数以上の生徒が「足りない」の反対を「足りる」と答えます。
ここが雑な捉え方の部分です。「否定語」と「反対語」は決して一致しません。
数直線で考えると「足りない(不足)=マイナス」というのはほとんどの生徒が理解しています。
ここでマイナスの反対はプラスと考えてもらえると不足の反対は過剰であると気づくのですが、
多くは否定語=反対語と発想するので
「足りる=プラス」と答えてしまいます。
これが言葉の妙です。多くの人が多くの言葉で錯覚と誤解を生じさせます。
"0"が正負の一致点ならば「足りる=ぴったり一致=過不足なし=0」となります。
よって「余る(過剰)=プラス」です。
数学でも英語でも勉強は記号のやり取りではありません。
そこには様々な意味を込めることが出来るのです。それこそが勉強の面白さ、発想の面白さです。