こんにちは、平岡中央教室担当小中谷です。
2023年度公立高入試国語、古典の問題。その内容は、王朗と華歆という二人が、盗賊に負われた人に助けを求められ、その対応のどちらが優れているかを説明するものでした。
さて、この王朗と華歆、どちらも三国時代(3世紀の中国)魏に仕えた人物です。魏とは、邪馬台国の女王卑弥呼が使いを送った、あの魏です。
魏(220~265)は、三国志の真の主人公である曹操が土台を築いた国です。王朝になったのは、息子曹丕の時。実はこの曹丕、すんなりと曹操の後継者になったわけではないのです。
曹操には多くの男子がおり、曹丕は生き残った男子の中では最年長。長幼の序を重んじる中国では最年長の男子である長男が家を継ぐのがしきたりです。ただ、曹操には詩の才能にあふれた三男曹植がおり、彼を跡継ぎにしたい気持ちがあったようです。
兄と弟の後継者争い、歴史にはよくある話。曹操の後継者はどのように決まったのでしょうか?
曹操は数ある群雄との争いを勝ち抜いて勢力を広げるのですが、そのライバルを一部紹介します。
【ライバル① 袁紹】
漢王朝の大臣を代々輩出した名門の当主。河北に勢力をはるのですが、200年官渡の戦いで曹操に敗れ、後継者を明確に定めないうちに死亡。遺された子どもたちは当主の座を巡り争い、そこを曹操につけこまれ滅亡。
【ライバル② 劉表】
荊州(長江中流域)が本拠地。曹操が南方制圧に乗り出す最中に病死。生前、次男を溺愛し長男を疎んじた結果、お家騒動が起こります。
さて本題に戻りましょう。曹操が後継者問題に決着をつけようと、側近たちに意見を求めます。家を継ぐのは長男!いや才気煥発な三男!意見が分かれます。
そこで登場したのが賈詡という人物です。彼は以前曹操に敵対し、曹丕の兄を戦死させた経緯があるのですが、その才を認められ曹操に仕えます。
後継者を誰にすべきか?曹操は賈詡に意見を求めます。しかし、彼は即答しません。(以下、曹操と賈詡の会話)
賈詡:「申し訳ありません。ただいま考え事をしておりました。」
曹操:「何を考えておったのだ?」
賈詡:「はい、河北の袁家と荊州の劉家のことを考えておりました」
曹操は全てを悟ります。河北の袁家は袁紹死後の後継者争いがもとで滅び、
荊州の劉家は長男を跡継ぎにせず次男に継がせたことで家中が割れた―。
後継者を長男と、明確に定めなかったことで家の滅亡を早めたのが、袁家と劉家。長男を跡継ぎにしなければ無用の争いが起こる、そう悟った曹操は、長男の曹丕を後継者に定めます。
(同じ三国の呉は、初代皇帝孫権の長男が若くして死亡した後、三男派と四男派に分かれ争い、国を支えた有能な人物を失い、国力が衰えます。家臣たちもそれぞれの主張をストレートに孫権にぶつけ、争いを根深いものにしました。)
賈詡はストレートに自分の主張をすることをせずに、後継者に関する事例を暗に示すことで、曹操にそれとなく悟らせたのです。
暗に示し、悟らせる―。ストレートな物言いよりも納得できますよね。私は数ある三国志のエピソードの中で、曹操の後継者問題に関する賈詡の説得術がもっとも心に残っています。
暗に示し悟らせる―。子どもたちを教え導く立場にある私としても、この心を大切にしたいと思います。
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さいごに
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