こんにちは、平岡中央教室担当小中谷です。
先日、ウィニングフィニッシュ国語、文法編に取り組んでいる中3生から
こんな質問がありました。
「『ない』の見分け方がわかりません、教えてください」。
※著作権の問題もありますので、改題します。
◇次のア~エのうち、他と品詞の異なるものを選びなさい。
ア、本を読まない。
イ、このお話は美しくない。
ウ、山に登らない。
エ、こんなにたべられない。
正解)イ これだけが形容詞です。
...これだけでは、???ですよね。
私は、「ない」がどの品詞にくっついているかに注意。動詞かそうではないか、
でわかるよ、と教えるのですが、それだけではわかりづらいですよね。
アプローチ法①「ない」の前に「は」(副助詞)を入れて、意味が通じるか、
通じないか。通じた「ない」は形容詞。
アプローチ法②「ない」を「ぬ」に置きかえて、意味が通じるか、通じないか。
通じた「ない」は助動詞。
...私のことをご存知の生徒さんは、私がよく口にするあの言葉だな、と
思いましたね。では、以下「ぬ」について説明します。
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「ぬ」の由来
・平仮名 漢字「奴」の草体(崩し字)
・片仮名 漢字「奴」のつくり「ヌ」からとった
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「ぬ」の用法
・現代語 打消しで使うことがあります。関西弁の打消し、せえへんの「ん」は「ぬ」の変化のようです。
・古語 ①ナ行変格活用の動詞「寝」(終止形は「ぬ」と読む)
②完了の助動詞「ぬ」
③打消しの助動詞「ず」の連体形「ぬ」
時代劇で「拙者はそのような卑怯なことはせぬ!」など、打消しで使用することが多い「ぬ」。古文では打消しで使われた例文はあまり見たことがありません。ほとんどが「完了」(してしまった)の意味で用いられており、そこを逆手にとった(?)のが、かつて存在した大学入試センター試験。6択の品詞分解問題では、「ぬ」は完了のものを選んで選択肢の幅を狭めたものです。
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「ぬ」で始まる言葉
「ぬいぐるみ」:説明いりませんね。
「ぬうべえ」:地獄先生
「ぬえ」:妖怪
「ぬか」:糠 穀物を精白した時に出る果皮。ことわざに「糠に釘」。
「ぬきんでる」:目立つ
「ぬく」:抜く
「ぬさまい橋」:釧路市にある大きな橋。
「ぬし」:主
「ぬすむ」:盗む
「ぬたうなぎ」:深海生物、深海の掃除屋さん
「ぬち」:沖縄の方言で「いのち」のこと
「ぬぬ」:時代劇などで悔しいときに出る口癖。または「双」の誤った読み方。
「ぬの」:布
「ぬひ」:奴婢
「ぬま」:沼
「ぬらりひょん」:妖怪の一種。
「ぬりえ」:説明不要。
「ぬる」:動詞、塗る
「ぬれる」:動詞、濡れる
思いついた分だけ列挙しましたが、「ぬ」で始まる言葉は少ない気が...。
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さいごに
平岡中央教室におきまして、例年より早く冬期講習会の申込を頂いており
ます。学年によっては定員に近いクラスもあります。なお、講習会のお席には
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