平岡中央教室担当、週に1度は書店に行かないと症候群の小中谷です。
今日は、『東大生の本棚』という本を紹介させていただきます。
東京大学、それは日本最高峰、天才が集う場所、だと私は思い込んでおりました。筆者の西岡壱誠さんは、努力の末複数回の挑戦を経て東京大学に合格した方です。
ネタばれがしないラインでお話させていただきます。そうでなければ、本を読む楽しみが半減してしまいますので。
●東大生は難解なものばかり読むか?
答え)NO!漫画やライトノベルも読んでいる!
意外や意外、哲学など難解ばかりを読むのか、と思っていたらそうではありません。漫画やライトノベルなど、ジャンルを問わず幅広く読んでいるそうです。むしろ、難解な本を読むころができる基礎の基礎をここで作っているように感じました。はたしてその読み方とは?
●東大生は漫画をどう読んでいるのか?
答え)一つの作品を複数回読み、視点を変えた読み方をする!
おそらく、漫画を読む際、多くの方は「主人公目線」でストーリーを追っていくものと思います。一つの作品には様々な登場人物が登場します。
一人一人個性のあるキャラクター、正義、悪など様々な人間模様が展開されます。西岡さんは、『進撃の巨人』を通じて、それぞれの立場になって物事を考えるようになったようです。視点を変えた読み方をすることで、人の立場に立ってものを考える力がついたそうです。
●追体験
近頃、創業者のエッセイを読むことが多い私、あることに気づきました。たとえば、以前紹介した日本電産の創業者永守重信さんは、貧しい境遇中で育ち、担任の先生に差別され、27歳で会社を立ち上げますが何度も辛く厳しい道を歩んで来られました。また、プロ野球選手の故野村克也さん。
この方も幼い時にお父様を亡くし、お母様は多病、大変貧しい暮らしをされそうです。バットを買うことができず、一升瓶に砂をつめて素振りをしていました。そういった経験を経て、様々な偉大な記録を積み上げていったのです。
人間の成長には、辛く悲しい経験が必要なのでは?しかし、帰る家がある、帰れば食事が出る、温かい風呂入ることができる、温かい布団で眠ることができる、そんな暮らしを送っている、永守さんや野村さんのような体験をすることはまずないでしょう。
読書をすれば、自分で体験することはなくとも、体験を共有することは可能です。西岡さんはこれを「追体験」と呼んでいます。
実は、この追体験が重要だと思うのです。自分で体験していないことでも追体験していれば、似たような題材の文章が出てきたとしても抵抗なく読むことができます。知っているからこその余裕、とでも言えましょうか。
●まとめ