こんにちは、平岡中央教室の小中谷です。
- 「漢」という字
そもそもだけど、漢字の「漢」にはどんな意味があるのでしょう?
「漢」は部首が「さんずい」、音の部分が「カン」という形声文字です。
部首が「さんずい」ですから、「水」に関係する漢字ですね。しかし、「水」に関する文字ではありますが「水」のイメージとはなかなか結びつかないと思います。もし「水」のイメージを結び付けられたら、かなりの漢字通とお見受けします。
授業の中で、こどもたちに「漢の意味、知ってる人~?」と質問すると、
「男の中の男!」と答えてくれる強者もいます(笑)。
ところで、角川書店の漢字辞典『角川新字源』によりますと、「漢」は以下のような意味で用いられるそうです。
中国の川の名(漢水、三国志がお好きな方はご存知かと)
さらに「あまのがわ、銀河」という意味もあるそうですΣ(・□・;)。
そして、中国で400年もの間続いた王朝!
本日のテーマは、漢王朝をつくった男の中の男「劉邦」についてお話ししたいと思います。
高校漢文の授業で学ばれた方もいらっしゃいますよね?
- 「漢王朝の開祖 劉邦」
高校漢文の授業では『史記』という歴史書を教材にしているのですが、その最初が実におもしろい!
「姓は劉、名は邦、字(あざな)は季、父は太公(たいこう)、母は媼(おう)...」
※名は目上の人しか呼ばないもので、字は成人した際につけられる別名のことです。
劉邦の名と、父母の名前を紹介しているのですが(以下翻訳)
姓は劉(中国で一般的な姓)、
名の邦は「あにき」、字の季は「すえっこ」
父は太公(意味は父さん)母は媼(意味はおばさん)
...これって名前、ではないですよね。昔の中国では、身分の低い人びとには名前がなかった!のです。
名前がなくても「おい長男坊!」といえば長男を呼びつけることができます。私たちが長男を「お兄ちゃん」や「にいにい」と呼ぶのと同じ感覚ですよね。また、外の世界では「兄貴~」(邦~)でいいのです。
- 劉邦のスゴイところ
劉邦は40歳を過ぎてから秦末の反乱に身を投じ、持ち前の寛容さ、気前のよさから、あれよあれよと「漢王」の地位に昇りつめます。そして、ライバルの項羽を倒し、天下統一を果たします。
そのスゴいところを3つ、あげてみます。
①素直なところ
自分にそれほどの能力はない、そう自覚していた劉邦は、自分より能力のある人物を積極的に登用します。その側近たちの献策を素直に受け入れ、数々の成功を収めました。
②我慢強さ
ある戦いで矢を受け怪我をした劉邦。総大将が重傷、味方は動揺しますよね。しかし劉邦は重傷であるにもかかわらず、元気なフリをして自軍見まわり、兵たちを動揺させませんでした。
③物事をシンプルにできる力
秦の都咸陽に入城した際、秦の法律があまりに複雑でわかりづらかったものをたった3つにまとめてしまいました。殺人は死刑、傷害、窃盗は程度によって罰する、と。のちにこの3つの罰では不便ということで9つに増えてしまいますが...。
- 私たちが劉邦に学ぶこと
劉邦のライバルだった項羽はまったく逆のタイプで、貴族の出身、自分の武力を過信、人の言うことをきかない人物でした。最初は項羽優勢で二人の戦いが展開されていきますが、劉邦は項羽を反面教師として、最後には項羽を「垓下」で追い詰めます。そして400年も続く漢王朝を開くのでした。
何か大きなことを成し遂げるには、人のアドバイスを受け入れる「素直さ」、辛い、大変と思っても将来の自分のためにそれを乗り越える「我慢強さ」、そしてつまりこれってこういうこと!と物事を「シンプルにできる力」、この3つが必要なのです。
とくに3つ目の「シンプルにできる力」、勉強ではこれがとっても大事なのです。別の言い方をすれば、物事の本質を読み取る力、とでも言えましょうか。
この力は一朝一夕では身につくものではありません。経験を積む、数をこなして初めて身につくものです。そう、数を重ねるのです!
(追記)
今回この記事を書くきっかけになったのは、「先生の歴史記事、楽しみにしています。最近、歴史ネタが...(以下略)」という一言でした。
長い人生、これからどんなことが起きるかわかりません。だからこそ、将来どんなことがおこってもいいように学びを深めることが必要だと思うのです。過去に生きた人物から学び応用する。何か大きなことを成し遂げたいと思った時、必要なことは何だろう?ということを共に考えてみたいと思い、劉邦を題材にさせていただきました。
〔さいごに〕
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