過去に「国語力」に関するコラムを書いてきました。偉そうに書くだけでなく、結果につなげられるようにと、昨年度は、入試にどんな難問が出ても対応できるよう、早い段階で川西による独自の対策を行ってきました。ですから、この前の入試の国語を見て驚いたのと同時に、
「うちの塾生なら、あるいは助かったのかも??」と思ったのです。
その一つの理由が、「主観的な視点を、客観的な視点から捉えなおす」という訓練をしてきたこと。例えば次のようなものです。
例題:以下の文は、"小学生並みの感想"と言われるものである。それを"神視点"から捉えなおし、昨今の表現における配慮をしたうえで、内容をできるだけ変えないよう書き直しなさい。
解答例:少年はある日、屋外の様子の変化に春の訪れを感じとった。まだ風に肌寒さを感じたが、あえて勇ましく、半ズボンで戸外をかけまわりたい衝動にかられ、存分に走ったことで彼は満足した。
...さて、何が起こったかお分かりになりましたか?神視点とは何でしょうか。
① 主語を明確にした三人称視点にする
「僕」の視点、一人称視点にはそれはそれで味わいがありますが、動作主や因果関係、時系列が曖昧になってしまい、他者に誤解なく伝えるにはやや難があります。3人称視点で語るということは、それらの解決につながります。そして、読解問題の解答欄に求められるのは、この能力であることが多いです。
② 比喩表現、ステレオタイプ(固定観念)は避ける