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2023.07.04

ニスコ進学スクール 平岡中央教室

つらい経験が自分を成長させる ~幕末佐賀藩主 鍋島閑叟の物語~

こんにちは、ニスコ進学スクール平岡中央教室担当の小中谷です。定期試験も終わり、ああ夏休み、ベーシックワークのシーズン、宿題の範囲、指定しないと...。

さて、人間の成長には大変、つらい、という経験も欠かせないと思います。

それらを乗り越えてこそ、器の大きな人間になれる!

今日は、そんな辛酸をなめた江戸時代の大名のお話をしたいと思います。

■鍋島閑叟(1815~1871)

 幕末、維新を成し遂げる原動力となった藩、薩摩(鹿児島)、長州(山口)、土佐(高知)、そして肥前(佐賀)。それぞれの頭文字をとって「薩長土肥」といいますね。肥前出身の人物は後に早稲田大学の創始者となる大隈重信以外、ぱっと出てこない印象。

 鍋島閑叟は佐賀藩の第10代藩主として、幕末佐賀藩を文字通りリードした人物です。

〔初のお国入りの屈辱〕

 江戸時代の大名は、一年おきに領地と江戸を往復する「参勤交代」が義務付けられておりました。16歳で佐賀藩主となって初めて領地へ、そこで閑叟は屈辱的な経験をします。江戸を出発、次の品川宿でのこと、行列が出発する時刻になっても、一向に先に進まない。それもそのはず、お供の武士が借金返済を迫られ、出発できない。閑叟「払ってやれ」とはいうものの、そもそも佐賀藩にはお金がない。佐賀藩はそこまで追い詰められていたのか...。閑叟は藩政改革を志します。

〔佐賀城二の丸、火災〕

 初の佐賀入国、閑叟はさっそく藩政改革に取り掛かるのですが、そこに厚い壁が立ちはだかります。それは古くからの門閥家臣。贅沢な暮らしになれた彼らには、質素倹約などやりたいはずがありません。そんな折...。

佐賀城二の丸が火災にあいます。ただでさえ財政が破綻、皆が落胆する中で、閑叟はこう言い放ちます。

「これは天祐だ、すべて一からやり直しだ!」

二の丸火災という災難も改革のきっかけだ、閑叟のポジティブ発言。ここで閑叟はまず人事を一新、要職はすべて改革派で固めることにしました。この時再建された二の丸は、藩主と家臣が意思の疎通がはかりやすくなるよう、工夫を凝らした、簡素なつくりとしたそうです。

〔長崎警備、自分の目で確かめよ〕

 佐賀藩には、福岡藩と交代で長崎を警備する役目がありました。

 初めて見る外国船、大砲も数多く備えたその船を見て、

「もし、こんな船が本気で日本を攻めてきたら...」

そう危機感を募らせた閑叟、軍備の近代化を進めるべく、動き出します。

製鉄に必要な反射炉建設は相当難航し、チームスタッフ一同切腹してお詫びします、というところまで追い詰められました。しかし、閑叟の熱い説得もあり、反射炉チームは困難を乗り越え、反射炉建設に成功します。そうして、大砲の鋳造、そして蒸気船を佐賀藩の手で作りだすまでになるのです。この大砲がアームストロング砲、戊辰戦争で大きな力を発揮します。

〔気配りの殿様〕

 閑叟は常日頃から、大名の家に生まれたる者、目下の者に配慮すべきことをこどもたちに説いていました。世継ぎの直大が、自身のわがままで侍女を突き飛ばした際は、カンカンに怒っています。

〔まとめ〕

鍋島閑叟は同時代の著名人には、嫌われていたようです。蘭癖大名、妖怪、どっちつかず...。非常に見識の高かった人物に対するやっかみもあったのでしょうか。

 ちなみに閑叟生涯最後の仕事は蝦夷地、つまり北海道の開拓長官。自ら北海道に出向くことはありませんでしたが、島義勇など佐賀藩士たちが、開拓に尽力、そのおかげで今の北海道があるのです。

 閑叟の若いころの苦労と経験をかみしめながら、キーボードを置きます。

(参考図書)

毛利敏彦『幕末維新と佐賀藩 日本西洋化の原点』(中公新書、2008年)

~次回予告~

 19世紀、日本とならびアジアで唯一西欧列強の植民地にされず、

独立を維持したタイ王国のお話をしたいと思います。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 【最後に】

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